メールマガジン

No.3 2007年8月2日発行

   
 日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン 第3号

 

☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆★★☆☆★
 日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン
 第3号   2007/8/2
☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆★★☆☆★

編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局

□ 目次

[学会からのお知らせ]

◆学会ホームページ掲示板の試行開始
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 岩岡 保彦)

[学会員からの寄稿、活動報告]
◆TKFへの思い
(日本ナレッジ・マネジメント学会副理事長 高梨 智弘)

◆TKF2007 Nice Franceのプログラムや参加者について
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 進 博夫)

◆組織認識論研究部会のご紹介
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 喜田 昌樹)

[転載記事]
◆経産省、ドイツと知的資産経営報告書の開示を統一へ向けて
9月下旬にドイツでラウンドテーブルを開催し協議

◆メルマガ「クリエイジ」より新刊・近刊ニュース

[特別寄稿]
◆NPO法人国際戦略シナジー学会 特別講演
「兵法に学ぶ経営の道」第二回
(アサヒビール株式会社名誉顧問 中條高徳氏)

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◆学会ホームページ掲示板の試行開始
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 岩岡 保彦)

 従来から希望が強かった、会員が気軽に意見や情報などを書込み
できる掲示板機能を、日本ナレッジ・マネジメント学会ホームペー
ジ仮設サイトに試行版として開設しました。

仮設版のURLは、http://kms.jpn.org/patio/patio.cgi
 Login ID:kmsj
 password:member
です。

 書込時には画面の様式に合わせて、各自のメールアドレスと名前
を記入してください。

投稿したら前に戻って、再読み込み(内容の更新)をしてトピック
欄の題名をクリックすると最新の掲示板の内容が見えます。書込み
を確認して下さい。
 仮設試行版なので、正規に開設する時点で内容は全て削除します。
自由に試して、ご意見を書き込んで下さい。
 事務局では、この他の掲示板ソフトの探索を継続しています。

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◆TKFへの思い
(日本ナレッジ・マネジメント学会副理事長 高梨 智弘)



1.経営革新の先端手法

 企業経営に係わる人間にとって、企業経営のベストプラクティス
を探索するのは、容易ではない。それは、目の前の仕事、固定観念、
組織文化等々のしがらみに大きく影響されるからである。もちろん、
それは技術革新やグローバル化の進展、労働環境の変化、自然環境
に対する意識変化などの経営諸環境の変化や競争に打ち勝つ経営で
なければならない。
 世の中には、卓越した経営を確立すべく、数多の勉強会、研究会、
研修会、協議会、委員会、また、セミナーや講演等が開催されてい
る。当学会は、激変する経営環境の中で、利害関係者から受け入れ
られる「卓越した経営」を人的側面から研究しており、特に、卓越
した経営の本質を見極めるべく知的財産を含めたナレッジ・マネジ
メントの研究を進めてきた。


2.ナレッジ・マネジメントの進化「知の経営」

 現在、このナレッジ・マネジメントの対象は、情報知である知識
(ナレッジ)に加え、行動知である知恵(ウイズダム)を包含し、
人の意識知である知心(マインド)の全てを対象とする総合知とし
ての知の経営に進化している。それは、ナレッジ・マネジメントが、
企業経営全体の改善・革新を成功させることを目的としているから
である。
 暗黙知と形式知の理論は、情報共有の理論( 暗黙知 Tacit と
形式知 Explicit のナレッジ・マネジメント:Knowledge Management )
から、人間関係のコミュニティ論( Phronesisの概念を取り入れた
ナレッジ・ベイスト・マネジメントKnowledge based management ≒
Wisdom Management )へ発展し、さらに卓越した経営のシナプスの
働きをする知の経営に進化( Chi Management = Knowledge Management
+ Wisdom Management + Mind Management )している。つまり、対
象が経営の良さを担保する仕組みとしての卓越した経営を達成する
マネジメントになっていると言えるだろう。したがって、今の知の
経営の定義は、「組織の目的・目標を達成する為に、社会価値(顧
客価値等)を向上または創造する知(知識・知恵・知心)を結集ま
た発見し、理解し、共有し、創造し、具体的な経営プロセスや業務
プロセスに適用し、改善・改革を実現する体系的なアプローチであ
り、適切な時期に適切な人が、適切な場所で知をスムーズに移転し、
活用できるようにする効果的な経営の仕組みを構築し運営すること」
である。


3.なぜTKFが生まれたのか?

 このように考えると、定義にあるように、知を結集したり発見す
ることが最重要課題になる。その解決策は、個人の視点をグループ
から組織に拡大するだけでなく、より多くの知を収集するために、
社外や業界外などの外部の知(ベストプラクティス)に学ぶベンチ
マーキングなどを活用し効果を発揮することになる。
 このベンチマーキングの対象を、より高く、より広くするために、
世界の卓越した理論や実務の集合体にしようとする試みが、「知の
オリンピック構想」であり、一部の人のためのナレッジ・マネジメ
ントではなく、世界の人のための知の経営の伝播の仕組みである。
そのために、知の経営の国際会議の名称を、”The” を付けて、
The Knowledge Forum とした。
 国々が国力と同様に、技術力や知力を競うのではなく、世界のた
めに、技術力や知力などの経営力を公開する仕組みが必要である。
具体的には、特定の国の国際会議に各国が参加するのではなく、
「世界のための知の会議体」自体が、各国を回る趣旨である。


4.TKFへの思い

 したがって、知のオリンピックには、金・銀・銅はそぐわない。
知のオリンピックの種目は、たとえば、

(1)従来は個々、部分の品質の対応で良かったが、今後は全体の品質、
  即ち経営品質を対象とする研究成果。
(2)従来は「正解があった時代」、即ち、長中期戦略が立てられた時代。
  しかし、 今は「正解を作り出す時代」 の戦略の研究成果。
(3)どこで何が起こるか分からないので、新しい経営手法の開発に
  固定観念の払拭をした研究成果。
(4)従来の考え方は過去では正しかったが、今は正しくない。従来の
  考えを一度忘れてこれからの考え方、すなわち新しいコンセプト
  で 勝ち残りの経営の研究成果。
(5)工業社会→情報社会→知識社会と進展している中で、従来型の
 「物理的な経営資源の効率化」のみに重点が置かれてきたものを、
 「知的財産の活用による有効化や効率化」をする研究成果。

 こんな発表が多くできれば、結果として知の経営をしている企業
は業績が上がり、且つ一人一人が楽しんで仕事をできることになる
だろう。今までの経営の延長では考えられない矛盾を解消した新し
い発想の経営がなされることを望んでいる。
 TKFが、世界の知を交換する「知の場Ba of Chi」である。
                   

( 第3回The Knowledge Forumを前に Summer in 2007 )

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◆TKF2007 Nice Franceのプログラムや参加者について
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 進 博夫)

 TKFは、知のオリンピックにふさわしく、学会支援の下にコンセ
プト作りからプログラム作りまで開催ホスト国を中心に行われます。

 今年は、フランスのKMコンサルタント会社経営、ジャン=イヴ・
プラクス氏を中心に、欧州経営大学院CERAMディレクターのアリス・
ギヨン氏と学会の森田理事長、高梨副理事長がエグゼクティブ・コ
ミッティを構成。数名の学会員がサポートして準備を進めてきました。

 プログラムは、「イノベーションを支援するKM」をコンセプトに、
27日午前と28日午後の全体会議と、その間の27日午後と28日午前の
計4つの分科会討議から構成されています。

 全体会議では、プラクス氏の強い希望で、野中教授がルモワーニュ
仏エクサンプロヴァンス大学教授の質問を受ける形でビデオ講演さ
れます。近くビデオ収録の予定です。オタワ大学のレヴィ教授も同
じく日程の関係でビデオ講演となりました。これら講演はいずれも
2日目の午後です。

 1日目の午前は、UCLAのマッケルヴィ教授に加え、ネッツトヨタ
南国の横田社長と新潟大大学院教授も勤める高梨副理事長が講演さ
れます。

 30人が講演する分科会には、日本から募集発表に応じた学会員と
学会員を通じた応募者で、フォーラム委員会の審査を経た合計8名の
以下の方の講演が決定しました(敬称略)。

A:イノベーションと知識創造プロセス 
澤谷みち子(全日空)、田中孝司(熊谷組)、進博夫(アルシノーバ代表)
B:人的ネットワーキング
三代まり子(新日本監査法人)
C:将来、知恵、教育
竹本順一(テッドインパクト社長)、芝坂佳子(あずさ監査法人)
D:地域クラスタ、および知的資産
花堂靖仁(早稲田大学大学院教授)、仙石通泰(三技協社長)

詳細については、以下のHPをご覧下さい。
http://www.tkf2007.com/

 また、TKFに先立って、9月25日に中小企業を主対象とした日独知
的資産ラウンド・テーブルがシュトゥットガルト南方の町で開催さ
れます。経済産業省や東商、中小企業の方々とともに学会関係者と
して森田理事長、花堂教授、田中理事、岩岡理事、芝坂さんと私が
出席します。知識経営視点の知的資産経営による中小企業支援の観
点から準備を進めています。

以下の関連記事をご参照下さい。
http://www.business-i.net/event/intellectus/item/n_61.html

続報をご期待下さい。

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◆組織認識論研究部会のご紹介
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 喜田 昌樹)


 本研究部会は2003年に認知的組織科学での諸研究(表象化の研究、
利用(機能と逆機能)の研究、変化・形成の研究)、組織科学にお
いて認知的とされる研究を展望・紹介することで、ナレッジマネジ
メントを理論的に位置づけることを目的に、神戸大学の加護野忠男
先生を座長に設立された。その他主要なメンバーとしては、大阪学
院大学企業情報学部の喜田昌樹、関西学院大学商学部の松本雄一先
生、名古屋市立大学経済学部の出口将人先生、滋賀大学経済学部の
伊藤博之先生など加護野ゼミ出身者を中心としている。

 その方法としては、
1)研究会:認知的組織科学に属する諸研究、基礎領域の文献研究
を行う。
2)研究発表:認知的組織科学に属する研究者もしくはこれに関心
を持つ実務家、コンサルタントによる発表。
3)ゲストを迎えての講演会:認知的組織科学に密接な関係を持つ
領域(組織文化論、組織学習論、意思決定論等)および認知心理学
など認知科学の研究者を迎えて、講演を行う。
4)他の研究部会とのジョイント。
などを行っている。

 主要な活動としては、毎年年3回の研究会を行ってきた。そこで
は、認知的組織論およびナレッジマネジメントに関する領域の報告
がなされ、数多くの報告者を招き、また参加者も平均して20名程度
である。今後の予定としては、9月8日(土曜日)に研究部会を行う
ことにしている。

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◆経産省、ドイツと知的資産経営報告書の開示を統一へ向けて
9月下旬にドイツでラウンドテーブルを開催し協議

 経済産業省は知的資産経営報告書の開示コンセプト(開示要素)
の統一を目指し、ドイツ経済技術省と調整を始めた。今年9月25日
にドイツで日独ラウンドテーブルを開催する予定。
 ラウンドテーブルは、両国の官民関係者が一堂に会し、両国で掲
げている知的資産経営についてのガイドラインや開示事例の相違点
を確認する。これまでの経験を披歴することで相互理解を深めつつ、
「協働の可能性を探っていく」(知的財産政策室)のが狙い。知的
資産経営、知的資産経営報告書の作成及び支援の在り方や実務的な
手法について、両国の企業、支援者代表同士での意見交換も行う。
 参加者は、日本から経産省、日本政策投資銀行、東京商工会議所、
日本ナレッジマネジメント学会、早稲田大、京都工芸繊維大、あず
さ監査法人、新日本監査法人、市川商事、イーパーセル、センテッ
ク、魁半導体、昭和電機など、ドイツからはドイツ経済技術省、知
的資本評価を行うコンサル会社Wissenskapital GmbH、ドイツ商工
会議所、フラウンホーファーIPK(研究機
関)、ヨーロッパ中小企業連合会の他、EnBW(電力会社)など民間
企業数社。
 経産省は2005年に、「知的資産経営の開示ガイドライン」を、2007
年には「中小企業のための知的資産経営マニュアル」を発表、ドイ
ツでは2004年に中小企業向けガイドライン(Intellectual capital
statement ‐Made in
Germany )などが作られており、ともに中堅・中小企業に対する知
的資産経営および知的資産経営報告書の作成、開示の浸透を進めて
いる。

出典:インテレクタスアイ2007年7月25日付記事
(http://www.business-i.net/event/intellectus/item/n_61.html)

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◆メルマガ「クリエイジ」より

新刊ニュース

ケインズ 100の名言
平井 俊顕 著 2007年7月 東洋経済新報社
46判 256頁 価格:1,890円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4492371044
経済学者にして、哲学者、論争家、自由党ブレーン、芸術の庇護者、
絵画・書籍の収集家、経営者、投機家…その全人像に迫る。

菜根譚の名言ベスト100
守屋 洋著 守屋 淳著 2007年7月 PHP研究所
B6判 223頁 価格:1,155円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4569692958
人格が主人で、才能は召使いにすぎない。他に先がけて開いた
花は、散るのもまた早い。分に過ぎた幸運は、人生の落とし穴だ。
「悩ましい時代」を生き抜くためのヒント集。「あやしげな魅力」
で日本人の心を捉えてやまない中国古典『菜根譚』から、"使える"
処世の知恵を紹介。

中国古典の名言・名句三百選
守屋 洋著 2006年10月 プレジデント社 B6判 335頁
価格:1,575円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4833418436
#1.「合うは離れの始め」から、#300.「禍を転じて福と為す」まで、
日本の先人たちが愛した人生の指針、人間学の源泉。いまも
私たちの心にしみる珠玉のことば、名言・名句、そのすべてを、
この1冊に!

生きる糧となる医の名言
荒井 保男著 2006年9月 中央公論新社 B6判 253頁
価格:1,680円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4120037630
孫文、三浦梅園、ウィリアム・オスラー、高木兼寛、北里柴三郎、
森鴎外など、古今東西の先人の辛苦の経験から生まれた医に
関する言葉37を精選し、平易に解説する珠玉の名言集。

世界の故事・名言・ことわざ 改訂第7版?知りたい言葉の由来を読む、
知識を育む「なるほど!」百科 総解説シリーズ
江川 卓著 2005年12月 自由国民社 A5判 942頁
価格:2,940円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4426622107
本書は、通常の古語事典とは違い、項目方式で編集してあります。
それも独自の項目により、収録語はバラエティーそのものです。
世界の「歴史と文芸」「神話伝説」「宗教からの故事名言」にはじまり、
身近な動植物・花言葉・星座・行事風習、さらに、世界のことわざ
を国別編集した、内容はそのまま「古典の雑学総合事典」です。
あやふやな言葉に関する知識を確かめたり、熟語や成句の由来を
知りたいときには、絶対に便利する一冊です

次世代に伝える言葉?アメリカの偉人がわが子にあてた82の手紙
ドリー・マクロウ・ローソン編著  井上 一馬訳
2005年8月 新潮社 A5判 319頁 価格:1,995円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4105459015
T.ルーズヴェルトの愛嬌、グラハム・ベルの好奇心、アイン
シュタインの興奮、エジソンの冷淡、スタインベックの恋愛指南、
ロックフェラーの資産管理、父ブッシュの老いへの対処。アメリカ
を創った人々はわが子になにを伝えているか。

この哲学者を見よ?名言でたどる西洋哲学史
ピエトロ・エマヌエーレ著  泉 典子訳
2005年10月 中央公論新社 B6判 303頁 価格:1,995円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4120036758
哲学者の名言・箴言には、そのひとの比類なく独創的なエッセンス
がつまっている。古代ギリシア哲学から20世紀思想まで。イタリア
の奇才がエピソード豊かに語るやさしい西洋哲学入門の書。

ドラッカー365の金言
P.F.ドラッカー著 ジョゼフ A.マチャレロ編 上田 惇生訳
2005年12月 ダイヤモンド社 A5判 406頁 価格:2,940円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4478300739
仕事と人生を変える1日1ページ。マネジメントの巨人が遺した
至言の宝石箱!愛蔵版。ドラッカーのすごさは、簡潔な文章を
もって複雑な世界をずばりと切り裂き、真理を明らかにするところ
にある。禅師のごとく普通の真理を数言をもって示す。読むたびに
こちらの理解が深まっていく。本書『ドラッカー 365の金言』は、
それら至言のいわば宝石箱である。読者は一万ページを読むこと
なく真髄を得ることができる。…『ビジョナリー・カンパニー』著者
ジム・コリンズによる本書「推薦のことば」より。

戦国武将の名言に学ぶ
武田 鏡村著 2005年8月 創元社 A5判 189頁
価格:1,575円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4422201611
先が見えない今、生きるヒントは歴史の中にある。武将たちの
生き方・考え方を、名称語録を通して伝える、臨場感溢れる
歴史読み物。

知っておきたい日本の名言・格言事典
大隅 和雄著 2005年7月 吉川弘文館 A5判 256頁
価格:2,730円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4642079440
聖徳太子から松下幸之助まで、歴史上に輝かしい足跡を残した
114名の珠玉のことば。政治や経済を動かした人、仏の教えを
広めた人、文学や絵画を残した人…。さまざまな名言が、時代
背景とともに私たちの胸に響く。生年順に配列し、人物紹介・
文意・要旨・出典・参考文献も収めた、どこから読んでも役に
立つ、座右必備の名言・格言事典。

中国古典名言事典 講談社学術文庫 397
諸橋 轍次著 1979年3月 講談社 文庫判 1020頁
価格:2,100円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4061583972
中国文学の碩学が8年の歳月をかたむけ、厖大な中国の古典の
なかから4800余の名言を精選、簡潔にして分かりやすい解説を
付した卓越せる名言名句集。どの章句にも古典の英知・達人の
知恵・人間のドラマが宿っており、人生を生きる指針にみちて
いる。激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会
に再読・三読すべき画期的な辞典である。実用の便に詳細な目次
と索引、人物略解を付した。
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近刊ニュース

理性ある人びと 力ある言葉 大内兵衛グループの思想と行動
ローラ・ハイン著 大島 かおり訳 2007年7月27日発売予定
岩波書店 A5判 320頁 価格:5,985円(税込)
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4000255630
1920-30年代の日本資本主義論争、戦時下人民戦線事件による
逮捕投獄、戦後の経済復興と平和、労働、社会福祉問題への参画、
60-70年代の美濃部都政──公平な経済こそ民主主義の要と信じ、
経済政策・教育を通じて20世紀日本の政治を問い続けた社会
科学者たちの軌跡を描く。日本現代史、社会科学史の画期的試み。
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今日の新刊情報
http://www.creage.ne.jp/app/NewBookInfo
今日の近刊情報
http://www.creage.ne.jp/app/RecentBookInfo

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◆NPO国際戦略シナジー学会 特別講演
「兵法に学ぶ経営の道」第二回(※4回に分けて掲載します。)
(アサヒビール株式会社名誉顧問 中條高徳氏)


【中條】だけど、大日本麦酒で甘く育ってきた社員も私の周囲にい
たわけだ。偉くなってもいるわけだ。それで、やっていると、まあ、
冷めた声が聞こえてくるんだ。一遍も失敗したことのない。そして、
名門の大学を出ているような人に限って、ハーバードがだめだと言
っているんだから、まあ、早く陣を引いたほうが得策じゃないでし
ょうかともっともらしいことを冷めた顔で言ってくるというのは、
大体そういう失敗の少ない恵まれた人生を歩いてきた人たちだね。
それで、大体理屈屋が多い。大したことを言うわけじゃないんです
よ。営業本部長があんなにカリカリやっているけど、そうは問屋は
おろさないと言うじゃないですか。当たり前のことを言っているん
だけど、ああいうカリカリ戦争をしていると冷めた発言が異様に気
がつくの。そうすると、すぐのりのいい体育系にその病が移るんで
すよ。これをグレシャムの法則と言うんです。世界中あるんです。
悪貨が良貨を駆逐する現象をグレシャムの法則と言うんです。です
から、皆さん方は、これからは潔く組織的殺しをしなければだめ。
すぐその病原菌は横にうつります。

 それで、私どもは、キリンビールがよくなってくると、入社する
社員までレベルがよくなるんです。だからアサヒは、女性までも一
兵とも逃すことはできません、皆を加えて戦をしないと勝てないな
と思うから、兵法にまさるものはないと当時も信じていたけど、兵
法の一番いいのは、専門家の前ですけど、全員きょうは社長さんと
しようね。社長さんの図は、夢を経営理念と我々の会社なんかも言
っています。社長はこの理念を目指して指揮をとっている。これが
きょうあなたの社長さんの図なんですよ。それで、あなたの会社が
予算を達成するとか、勝ち組に回るためには、専務、常務はおろか、
新入社員までの矢印が合わないと予算は達成できないんです。これ
が組織で一番大切なベクトル合わせです。英語が嫌いという人は矢
印合わせと。これなんです。ですから、兵法というのは、一口で言
ったら、一兵とも合わないやつがいたら、不思議や不思議、そこか
ら水が漏れて、それで作戦が失敗して負けていくんです。そういう
ことを実験的に、体験的に知ったから、ベクトル合わせの学問とし
て練られてきたものなんです。

 ですから、このベクトル合わせをするために、先生がさっきお話
のあった、夢だけ描いていてはだめだ。だけど、組織上で夢はまず
一番大切なの。二人以上を組織と呼ぶその組織で、夢はしっかり。
だって、この指揮官だって人間だから時に心が緩むこともある。病
気になることもある。長期出張のときもある。だけど、この指揮官
がいないときでも、あなたの会社の行くべき方向が新入社員にまで
もはっきり大きく見えたほうがいいに決まっているじゃないの。だ
から夢は大切なんです。

 しかし、先生のさっきのお話にあったように、夢じゃだめだよと
いう。そう、夢を描いたら、夢に数字を入れて初めて夢の実現があ
るわけです。例えば遊びでも、皆さんの得意先にないかもわからな
いけど、酒類業界にはわがままな得意先もいるわけだ。そして、人
格的に見ても、品性から見ても、山の好きな大将で、一緒に行きた
くないけど、リップサービスで、大将、山に行きましょうと口先だ
けで言っていても、絶対実現しないでしょう。これは夢だけだから
で。だから、その夢に山で数字を入れる。富士山という山を入れる。
それで、7月中旬から8月中旬が山登りに安定だから、数字を入れる。
中條高徳、山岳部らしいから、あいつをリーダーに借りてきて、数
字を入れる。だれとだれとだれと、数字を入れる。そして初めて夢
が実現するじゃない。そこをさっき先生がおっしゃったものだと思
いますよ。夢だけじゃだめだ。しかし、夢をまず書いて、そこに数
字を盛って初めて夢は形になってくる。

 だから、私どもも、ハーバードはだめだと言うのだから、大きな
夢を描いて一からスタートしようと中間管理層に、もっと具体的に、
課長、課長代理に、まず長期5カ年計画をつくらせたわけです。数
字がたくさん入るのです。長期5カ年計画。そして、これはものす
ごい変化の多い時代だし、追い上げるのだから、1年ごとにローリ
ングしてきましたけど、長期5カ年計画をつくらせた。そして、ほ
んとうの今の夢、経営理念をつくらせたわけ。そして次に、経営理
念を実行するための目のつけどころは足の運び方ともいうべき行動
規範をつくったのです。

 それで、すぐしたのが、毎朝、どんなに小さな、庄原の林業所で
あろうが、必ず朝、大きな声で呪文のごとく唱えさせ始めたわけで
す。そうすると、声の大きいというのは、日本人は今、平均的に下
がってきているんです。軍隊なんていうのは、朝晩、号令調整と言
って、いや、おまえののどを訓練するんだと言うけど、そうじゃな
い。一番の課題は、軍隊というのは抑圧の社会でしょう。偉い人が
絶対なんですよ。批判しようものなら、げんこつが飛んでくるわけ
です。だから欲求不満がたまるでしょう。それをあの大声に託して
出しているんですよ、朝な、夕な。声の大きく出すというのは、欲
求不満、フラストレーションの解消には一番役立つんです。おのれ
を励まして、そして隣をも励ますのです。戦争でおれ死ぬなんてい
うときに、黙って進むなんて一人もいませんよ。声出せなんて言わ
なくても、あらん限りの声を出しますよ。それで、コストゼロ。た
だなのです。

 ついでに、ここまで来ましたから、声の低い三原則を説きましょ
う、秘め事、悪い事、自信のない事の3つに決まっています。だか
ら、すぐ皆さんのところだってあしたからやれる。やったら、来る
お客さんは、もう100%プラス評価ですから。うるせいなと言うお客
さんだって、それはうるせいなと言ってプラス評価しています。

 ですから、これをすぐやったの。そうすると、戦というのは、勢
いは勢いを呼び寄せるものなの。勝ちは勝ちを呼ぶ大原則を持って
いるんです。あれほどくたびれもうして腰の引けている我がへなち
ょこアサヒビールの社員も、こんな手を打って、声を出してやらせ
ただけで、うちが何か動き出した、やり始まったというのが私の体
温に感じてくるほど変わるものなんです。ですから、よっしゃ。こ
れは、夢をなるべく具体的に。

 もうつぶれんとしていたんですけれども、そんなつぶれるのでも、
昭和64年が創業100年の日だったんです。それで、皆さんに一番理
解できないのは、特約店というのは第一次問屋です。会社から最初
にビールが行く問屋さんが東京を除いて専売制なんです。専売制と
いうことは、あなたの夫婦と一緒なの。一夫一婦制なんですよ。だ
からアサヒビールは、先ほど森田先生からお話がありましたけど、
一切粉飾決算はしないけど、資産を売り払って、国家に税金をお払
いもうしてやってはいるけど、特約店はアサヒビールに見合うよう
な資産を持っているはずがありません。ですから、例えば別府の藤
沢商店なんていう200年以上続いた名門が今ありません。これはア
サヒビールと特約契約をして、取り扱い商品の六、七割を占めるビ
ールが落ちてくるんだから、アサヒビールの理由で消えていってい
るんです。これは自分がつぶれるよりつらいですよ。例は1つ申し
上げているが、方々で出てくるわけ。それを体験し、目の当たりに
することはたまりませんよ。

 それでも時は容赦なく進みます。昭和64年が創業100年だから。
100年の日を迎え得ないなと、私もそんな気がしたんです。だから
今度は逆張りだ。その創業100年の日にまで会社の仕立て直しをして、
その昭和64年には一番苦労をかけた特約店の人たちにアサヒビー
ルと特約しておいてよかったなと思われるようなアサヒビール。そ
して、拙著『立志の経営』(致知出版社)という本に、東京のお酒
屋さん、7人の侍という、新宿の沢村屋さんが会長としてやってく
れていた。その人たちが、とことんまでほれたやつだから応援する
けど、もうおれたちも精も根も尽き果てたよという声が聞こえてく
るような気がしたのね。要するに、応援してくれる特約店や飲食店
の声の代表として、あの『立志の経営』の中に盛ったわけですけど、
そういう人たちに、アサヒビールを応援してきてよかったな、アサ
ヒビールと縁結びしてよかったなと思われるアサヒビールに生まれ
変わろうと。へなちょこアサヒビールも夢だけはでかく描いたとい
うのは、そういう理由です。

 そして、なぜ中間管理層につくらせたかというと、我々経営陣が
つくったほうが要領がよくて早いんです。だけど、参加意識を醸成
しないといけません。戦争でも、指揮官が突撃って後ろ向いたら、
部下が1人もついてこないというのでは勝てる道理がないのです。
ですから、参加意識をつくるために、あえて中間管理層の連中に経
営理念や行動規範をつくらせたわけです。

 それで、勢いが私の肌でわかるくらいだから、ついに追加。追加
投資って生意気でかっこいいけど、大したことはない。三ツ矢サイ
ダーやバヤリースオレンジやビールの商品を出せばいいのだから。
それで、この立ち上がりのネーミングを社員1票で募集したわけで
す。そうしたら、創業100年の日を目指しての立ち上がりだから、
「ニューセンチュリー」というのが当選してきたの。だから、すべ
てこの立ち上がりをニューセンチュリー運動。すべて立てる計画を
ニューセンチュリー計画。ちょっとかっこいいじゃないの。そうし
て、心の崩れている乱れた軍というのは、私のひいき目もあります
が、こんなことでもスーっとまとまってくるような感じがします。
だから、もっと追加しようと言ってキャッチフレーズを募集した。
これは1人何票でもよろしいと。そうしたら、また英語でごめんな
さい、「Live ASAHI for Live People」というのが当選してきた。
生き生きとしたお客さんたちのための生き生きとしたアサヒビール
であり続けよう。「Live ASAHI for Live People」。商品が多いで
すから、ビールの固まりは全部「Live ASAHI for Live People」。
そうすると、もう自信を失っていた社員でも、こんな極めて素朴な
ことだけど、ああ、うちはリーダーが動き始めたな、行くべき方向
をちゃんと示してくれたなと、解説すればね。そんなような気持ち
で、ずっと指揮をとっている僕に肌に感ずるほど変わってくるもの
なんです。

 それで、やって、すべてそうだ、ハーバードがだめだと言ってく
れたのだから、その兵法でやろうと思ったけど、なまくら野郎のた
めにも、そういう連中もかてて加えてするために、金目のちょっと
かかることをやったのはTQCと、CIの二つだけです。きょうは勉強
会だから学問的なこともちょっと言いますけど、これは総合品質管
理(T・Q・C)。それで、私は6人の住友銀行から来た社長、会長に仕
えたんです。だから、プロパーのトップであり営業本部長が10日あ
ける。しかも場所が軽井沢と。TQCのセミナーに行って。よほどこ
っちがふてくされていないと説得できません。死に物狂いでしたか
ら時の延命社長を説得して日科技連の軽井沢セミナーに十日間参加
し、徹底してやったんです。だって、ハーバード理論を超えない限
りは勝てないんだから。だから、徹底してそのTQC、トータル・ク
ォリティー・コントロールもやりました。小集団活動、それから提
案制度をやりました。

 やった結論を申しますと、あなたの周囲に、あるいはあなたのお
うちにいるかもしれませんが、あしたの飯がないというようなハン
グリーから立ち上がった中小企業の創業者がたくさんいるじゃない
ですか。あなたの指揮をとっている組織の者どもを、あのハングリ
ーな創業者の心に近づけていきなさいという学問だと断定してはば
かりません。苦しかっただけに、わかりますよ。あの創業者の人た
ちは、理論的にも物は申せない人が多い。だけど、見てごらん、見
えないものまで見えると言うじゃない。聞こえないものまで聞こえ
ると言われるじゃない。もっとすてきなのは、いくらやっても疲れ
ない。そのまさに対極にあるのが大日本麦酒の甘い汁を吸ってきた
うちの社員だったんです。これは大した失敗もしなければ、4月に
は必ず労働組合のおかげで定期昇給。そして、大した哲学を持って
いない部長でも、自分の言うことを何も抵抗せずについてくれば、
これがまじめな社員だと人事考課を高めて、時にはうちにもいたん
だよ。部長の考えはちょっと間違っているのと違いますかと言う生
きのいいのがいた。そういうのは上に盾突いてくる。生意気だと言
って人事考課を低めるような組織で頑張りますか。勉強家の中には、
これに従事しておられる人があるから、失礼しちゃいかんからやら
なくてもいいと言いたいけど、いやいや、モデルが身近にあります
よ。間違いない。


(次号へ続く)

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